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債務整理の実情と裁判例

任意整理の実情と裁判例

1 過払い金返還が増加したこと等により、業者によっては速やかに返還に応じない業者もあります。そこで、現在の状況をまとめてみましたので、参考にしてください。

ア 大手消費者金融(武富士・プロミス・CFJ・アイフル・新生フィナンシャル・アコム・三洋信販)
概ね返還に応じます。ただし、武富士は、最近、最初の提示額では、返還金額は5割にしてくれなどといった話をしてきます。また、CFJについても7割程度の提示をしてくることが多くなっています。また、アコムは最近対応が遅いように感じます。そのため、訴訟が必要となることが多くあります。

イ 信販系(三井住友カード・JCB・ジャックス・セディナ(OMC)等)
 おおむね、返還に応じます。ただし、取引履歴の開示が遅いことが多いのが特徴です(3か月程度かかることもあります)。また、業者によっては、古い取引履歴を保管していない場合があり、この場合、推定計算等による必要があります。

ウ 中堅消費者金融(SFコーポレーション・マルフク・ユアーズ・ステーションファイナンス等)
 業績があまりよくないこと等から、提示額が厳しい業者が多くあります。また、訴訟により判決を受けても支払わないこともあり、強制執行が競合しているような業者もあります。また、アエルのように、民事再生手続きをおこなった業者もあります。

2 近時の最高裁判決
近時の重要最高裁判決として、H21.1.22のものがあげられます。これによると、「取引継続中は過払金充当合意が法律上の障害となるというべきであり,過払金返還請求権の行使を妨げるものと解するのが相当であ」り、「過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,過払金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り,同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である。」と判事されました。これにより、消滅時効は最終取引時からということになり、一つの論点が解消しています。

また、約3年の取引の中断があった場合に一連計算を否定したH20.1.18及び約3か月の中断で一連計算を肯定したH19.7.19の各最高裁判決も重要な判例です。ただし、いずれも期間のみではなく、基本契約の切り替えの有無、切り替えがある場合にはその内容の相違等様々な事情を考慮しての判決ですので、単に期間のみで判断することはできません。


個人再生の実情

1 個人再生の現状
ア 弁護士申し立てと司法書士申立てにより、一番異なる可能性が高いのが、個人再生です。弁護士申し立ての場合、再生委員等が選任されることが殆どないため、このための費用が不要ですが、司法書士申立ての場合、本人申立を同様に再生委員が選任されることが多く、再生委員のための費用が必要となるケースが多いようです。

2 住宅ローン特約の現状
ア 滞納がある場合、これを解消しなければ住宅ローン特約を利用することは困難です。
イ 同意型等については、金融機関がまたなれていない場合があります。ケースによっては、先にりスケジュールをしてから通常の住宅ローン特約付きの個人民事再生を申し立てる方がスムーズに進むケースがあります。


自己破産の実情

1 裁判所による相違
ア 同時廃止の場合、書面だけでの審理を行っている裁判所とそうでない裁判所があります。東京地方裁判所等では、審尋がありますが、大阪地方裁判所では、免責事由がない場合は原則書面審理のみですし、地方の裁判所でも書面審理のみのところが多い現状にあります。
イ 特に管財事件の予納金については、大規模庁になるほど低額で、小規模庁では高額になる傾向にあります。管財事件の予納金は、多くが管財人の報酬の引き当てとなりますので、管財人のなり手の多い大規模庁では低額となり、小規模庁では高額となっています。